オリジナルデザインを好みの布にプリントして、世界に一つだけのオリジナルの服やバッグ、カーテンなどを作ってみるのはいかがでしょうか。美しいグラデーションのものから、手書きのイラストによるものまで、デザインはお好みのものをプリントすることが可能です。今回は生地プリントのデザイン制作プロセスについて、詳しく解説したいと思います
デザインのアイデアを検討しよう!
まずはどのようなものをオリジナル生地で作りたいのかを考えてみましょう。個人で楽しむファッションやインテリア、あるいはグループでお揃いの衣装やバッグなどを作りたいという人もいるかもしれません。なお、オリジナル生地プリントは、ワンポイントのデザインも可能ですが、パターン柄やボタニカル柄、ドット柄なども得意としています。綿密な柄や複雑なグラデーションにも対応していることが多いので、まずは好きなデザインを描いてみましょう。
なお、オリジナル生地プリントを依頼する場合、一般的には絵を渡すのではなく、デジタルデータを作成して入稿します。この時、データの形式が細かく指定されていることがあるので、よく確認し、自分の環境でも作成できるかを確認しておきましょう。一般的には有償ツールのPhotoshopやillustratorで作成したデータに対応していることが多いですが、無償ツールのGimpでも対応していることもあります。デジタルツールのメリットとして、柄は一つだけ描けば十分ということがあげられます。一つのデザインができてしまえば、コピーしたものを幾つも等間隔に並べるだけでパターン柄が完成します。特に均等な間隔で柄を繰り返すデザインの場合は、全く同じものを簡単に複製できるデジタルでの処理がおすすめです。
一方、手書きではオリジナル生地は作れないのかというと、必ずしもそういうわけではありません。手書きで作りたい場合は、まずイラストを描いてから、パソコンなどに取り込むことで対応が可能です。できればスキャナーによるスキャンが望ましいのですが、機材の問題で難しい場合は、スマートフォンなどで絵を撮影して取り込む方法もあります。その後、指定のペイントソフトウェアなどを用いて画像を加工し、プリントデザインを作りましょう。ただ、この方法だと手書きの繊細な色の具合がつぶれてしまい、再現できない可能性があるので、デザインをよく検討することをおすすめします。
こんなポイントに注意!
デザインコンセプトとして、ワンポイントやパターン柄を用いる場合は、実際にプリントされた際の柄の大きさに注意を払いましょう。例えば「小さな蝶が沢山並んでいる生地」が欲しいと思って、画面上では小さな蝶を並べたデザインを作ったつもりだったのに、実際に布が届いたら予想以上に蝶の柄が大きくてイメージと違っていた、というケースがよくあります。初めての場合はこのようなミスをしやすいので、入稿時に印刷会社にチェックをお願いしたり、サンプル生地を作成してもらったりすると安心です。
色については基本的に企業によって特色が異なります。グラデーションや綿密なデザインを得意とするところから、発色数を抑えて格安にしているところまで様々あるでしょう。なお、布にプリントするインクにも一般的に真っ白のものはないので、「真っ黒の生地にデザインをプリントする」ということは難しいです。どうしても黒ベースの生地が作りたい場合は、デザインの背景を黒にして白い布にプリントすることで対応することになるでしょう。
オリジナル生地プリントを依頼する場合
デザインが完成したら、プリント会社に依頼を行いましょう。企業によってはサンプルを作成してくれることもあるので、特にある程度の量を発注する予定であれば、サンプル対応可の企業を選ぶと思わぬ失敗を防ぎやすくなります。また、昨今はスピード入稿を重視する顧客に対応し、デザイン会社側のチェックをあまり行わず、顧客側の責任でデータ入稿を行うケースも見られます。慣れた人ならばその方が迅速に生地が制作できるのでおすすめですが、初めての人などは、デザインの打ち合わせ・チェックに応じている企業の方が良いでしょう。
また、デジタルツールにはメリットも多いのですが、プリントに関して起きやすいデメリットとして、想定していた発色やデザインになっていない可能性があります。これは、使っているモニターの発色の問題や、デジタルデータの設定の問題である他、プリントする生地の素材・性質によって発生することもあります。「多少の色味の違いは大丈夫」というわけではなくこだわりぬきたいのであれば、こういったトラブルを防ぐための工程である「色合わせ」や「色調整」なども、必要に応じて行いましょう。
オリジナルデザインの生地プリントを楽しもう!
自分だけのオリジナルデザインの布で作ったワンピースやバッグは、持っているだけで楽しい気持ちになれるアイテムです。また、家のインテリアにあったオリジナルの布で、カーテンやクッションカバーなどを作ることで、こだわりのインテリアも実現できるかもしれません。その他、兄弟や友だち同士で同じ生地を使った衣装を作る場合にもうってつけです。様々な楽しみ方ができるオリジナル生地を作ってみるのはいかがでしょう。